農工大薬理学研究室

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Works臨床検査

獣医薬理学教室ではオルガノイド研究の臨床応用をプロジェクトとして立ち上げ、その検査体制の確立を目指しています。
現時点でプロジェクトとして行っている検査は以下の二つになります。

これらの検査が確立されれば、今後の展望として検査対象の難治性がんを順次増やしていく予定です(肺腺癌、中皮腫、肛門嚢腺癌など)。

猫の乳がんの抗がん剤感受性検査

これは罹患猫のがん細胞からオルガノイドを作製し、そのオルガノイド組織に各種の抗がん剤処理を行い感受性を検査するものです。
生体内のがん組織に極めて近いオルガノイド組織を用いることで、オーダーメイドで「その猫のがんに効く」抗がん剤は何かを調べることができます。

実際のサンプル受け渡しから抗がん剤感受性検査までの流れは以下の通りです。

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本プロジェクトを進めることによって術後化学療法の最適な選択が可能になるとともに、 ドキソルビシンやカルボプラチンに代わる最適な化学療法のコンビネーション療法有効な分子標的薬の探索につながる事が期待できます。
このプロジェクトは獣医がん臨床研究グループ(JVCOG)およびキャットリボン運動との連携によって進められており、この運動を応援して頂ける方を幅広く募っております。

  • ネコ乳がんオルガノイドプロジェクトの宣伝(お知り合いの獣医さんへの情報拡散など)
  • プロジェクト推進のための研究サポート(共同研究、ご寄付、大学院生のご紹介など)
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ネコのお願い

2021年3月、本プロジェクトによって作成した猫乳腺がんオルガノイドにおいてドキソルビシンやカルボプラチンの感受性が個体間で大きく異なることが明らかになりました(第17回日本内科学会アカデミーにて発表)。
現在、本研究は基礎的なデータの取得が完了し、現在前向き臨床試験を実施しながら有料実証実験を行っております。
検査は猫乳腺がんの疑いあるいは既に治療を行われている患者さんが対象となります。 本検査のご依頼を希望される獣医師の方は、下記の連絡先か当研究室で運営しているエアデックminiにお問い合わせください。

東京農工大学 農学部 獣医薬理学研究室
臼井 達哉
email: fu7085*go.tuat.ac.jp
(*を@に変えてください)
TEL: 042-367-5770

エアデックminiに病院情報をご登録いただいた後、こちらから細胞保存用液・送付容器等を送付いたしますので、 摘出組織のがん部を保存液と伴にチューブに入れていただきクール便にてご送付ください。

犬の前立腺がん・膀胱がんの抗がん剤感受性検査

この検査は泌尿器がん(前立腺がん・膀胱がん)罹患犬の尿に含まれる微量ながん幹細胞からオルガノイド組織を作製し、感受性試験を行うものです。
これまでの当研究室の研究により、このオルガノイド組織の抗がん剤への感受性が個体間によって異なることが明らかになっており、 個々の尿サンプルから感受性検査を行うことでその患者さんに効果的な治療薬を選択できることが示唆されました。

当研究室では実際にこの方法を用いた感受性検査による前向き臨床研究を実施し、これまでに化学療法のみで膀胱がんの完全寛解部分寛解といった結果を出しています。
作製したオルガノイドにおいてビンブラスチンやミトキサントロンに感受性を示した個体に治療を実施した結果、顕著ながんの縮小が観察されました(第17回日本内科学会アカデミーにて発表)。

本研究は基礎的なデータの取得が完了し、前向き臨床試験を実施しながら有料実証実験を行っております。
検査は前立腺がんあるいは膀胱がんの疑い、もしくは既に治療を行われている患者さんが対象となります。 本検査にご協力いただける獣医師の方は、下記の連絡先か当研究室で運営しているエアデックminiにお問い合わせください。

東京農工大学 農学部 獣医薬理学研究室
臼井 達哉
email: fu7085*go.tuat.ac.jp
(*を@に変えてください)
TEL: 042-367-5770

エアデックminiに病院情報をご登録いただいた後、こちらから細胞保存用液等を送付いたしますので、 尿沈査から回収したがん細胞を保存液に浸漬していただきクール便にてご送付ください。

organoid_dog_fig2

検査を行う抗がん剤の種類、ならびに検査結果の報告は以下のようになっております。

organoid_dog_fig3

本検査にご協力頂きました先生には抗がん剤感受性検査の結果とそれに基づいた治療効果(腫瘍の退縮やQOLの改善等)について当研究室と情報を共有して頂き、 研究室にフィードバックして頂いた結果を元に学会や学術誌等で発表していく予定です。
オルガノイドを利用した感受性検査法の確立により、イヌ泌尿器がんの新たな治療アルゴリズム(下図)を構築していきたいと考えておりますので、何卒ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

organoid_dog_fig3

本検査にご協力頂ける先生は、お手数ではございますがこちらから当研究室へご連絡・お問い合わせください。
また下記連絡先まで直接メールやお問い合わせを頂いても構いません。

東京農工大学 農学部 獣医薬理学研究室
臼井 達哉
email: fu7085*go.tuat.ac.jp
(*を@に変えてください)
TEL: 042-367-5770

ご注意

  • 稀に送っていただいたサンプル中にがん幹細胞が存在しない培養開始後細胞が増殖しない尿路感染症によって培養自体が困難などの理由により検査の実施が出来ない場合もありますのでご了承ください。
  • 採取する細胞は可能な限り多めに取って頂き遠心分離後に尿上清や洗浄液を除去してから 保存用培養液で混合して頂けると培養効率が向上し、抗がん剤感受性試験の実施を迅速に行うことができます。
  • 現在実施している抗がん剤以外の感受性試験につきましては、研究の進捗状況に合わせて追加していく予定ですので別途お問い合わせください。